「給湯器を買い替えたいけど、瞬間式と貯湯式、どっちを選べばいいんだろう…?」
給湯器のタイプには、大きく分けて「瞬間式」と「貯湯式」の2種類があります。どちらにもメリット・デメリットがあり、ご家庭のライフスタイルやお湯の使い方によって最適なタイプは異なります。せっかく買い替えるなら、後悔のない、便利で経済的な給湯器を選びたいですよね。
この記事では、そんな給湯器選びに迷っているあなたのために、「瞬間式」と「貯湯式」の給湯器について、その仕組みや特徴、メリット・デメリット、そして気になる料金や快適性について徹底的に比較解説します。この記事を読めば、あなたの家庭にぴったりの給湯器が見つかるはずです。
瞬間式給湯器と貯湯式給湯器の基本を理解しよう

給湯器には大きく分けて「瞬間式」と「貯湯式」の2種類があります。それぞれお湯を作る仕組みが異なり、使い勝手やコストにも違いが生じます。ここでは、それぞれの給湯器がどのような仕組みでお湯を供給するのか、その基本と特徴を解説します。
瞬間式給湯器とは?仕組みと特徴
瞬間式給湯器は、その名の通り、お湯を使うその瞬間に水を加熱してお湯を供給するタイプです。水道管から取り込んだ水を本体内部の熱交換器で瞬時に温めるため、お湯を使い始めるまで待つ必要がありません。主にガス給湯器に多く見られますが、一部の電気給湯器にも瞬間式があります。
メリットとしては、必要な時に必要なだけお湯を作るため、お湯切れの心配がない点が挙げられます。また、お湯を貯めるタンクが不要なため、設置スペースがコンパクトで済みます。使わない間は加熱しないため、待機電力や保温によるエネルギーロスが少なく、省エネ性に優れていると言えるでしょう。
一方でデメリットもあります。一度に大量のお湯を使うと、給湯能力の限界により水圧が弱くなったり、温度が不安定になったりすることがあります。特に冬場は水温が低いため、設定温度まで温めるのに時間がかかり、一時的に設定温度よりも低いお湯が出ることがあります。また、瞬間的に大きなエネルギーを消費するため、契約している電気やガスの容量によっては注意が必要です。
貯湯式給湯器とは?仕組みと特徴
貯湯式給湯器は、大きなタンクに水を貯め、あらかじめ温めておいたお湯を供給するタイプです。タンク内の水をヒーターで加熱し、保温してお湯をいつでも使える状態にしています。主に電気給湯器(電気温水器やエコキュートなど)に多く採用されています。
メリットは、タンクに貯められたお湯を使うため、複数箇所で同時にお湯を使っても水圧や温度が安定していることです。深夜電力など電気料金が安い時間帯にまとめてお湯を沸かしておくことで、電気代を節約できるメリットもあります。また、災害時など断水時には、タンク内の水を生活用水として利用できる場合があります。
デメリットとしては、タンク容量には限りがあるため、お湯を使いすぎるとお湯切れを起こす可能性があります。お湯切れすると、再びお湯が沸き上がるまで時間がかかります。また、大きなタンクを設置する必要があるため、広い設置スペースが必要となります。タンク内の水を常に保温するため、瞬間式に比べて保温によるエネルギーロスが発生します。
瞬間式 vs 貯湯式:徹底比較で違いを明確に

ここからは、瞬間式給湯器と貯湯式給湯器の具体的な違いを、重要な比較ポイントごとに詳しく見ていきましょう。ご自身のライフスタイルやお湯の使い方をイメージしながら読み進めてみてください。
1. お湯切れの心配は?
給湯器を選ぶ上で、最も気になる点の一つが「お湯切れ」の心配ではないでしょうか。
瞬間式給湯器は、必要な時に必要なだけお湯を沸かすため、基本的に「お湯切れ」の心配がありません。家族が続けてシャワーを使ったり、お風呂とキッチンで同時にお湯を使ったりしても、設定した温度のお湯が途切れることなく供給されます。ただし、一度に使えるお湯の量には限りがあるため、同時に多数の箇所で大量のお湯を使うと、水圧が低下したり、設定温度を維持できなくなったりする可能性はあります。
一方、貯湯式給湯器は、あらかじめタンクに貯めたお湯を使うため、タンクの容量以上に一度にお湯を使うと「お湯切れ」を起こす可能性があります。お湯切れしてしまうと、再度お湯が沸き上がるまで待つ必要があり、特に冬場などは不便を感じることがあるかもしれません。しかし、タンク容量を適切に選べば、通常の家庭での使用においては問題なくお湯を使えます。
2. 給湯能力と温度は?
給湯器の能力は、快適な湯量と温度に直結します。
瞬間式給湯器の給湯能力は「号数」で表され、1分間に水温+25℃のお湯をどれだけ供給できるかを示します(例:24号なら24L)。号数が大きいほど、一度に多くのお湯を使えます。しかし、外気温が低い冬場など、水温が低い時期には、設定温度まで温めるために必要なエネルギーが大きくなるため、給湯能力の限界に達しやすく、設定温度よりも低い温度のお湯しか出ない、あるいは水量が細くなることがあります。
貯湯式給湯器は、タンクに貯めたお湯を使用するため、基本的に安定した湯量と温度を供給できます。タンク内のお湯は一定温度に保たれているため、外気温の影響を受けにくく、真冬でも設定通りの快適なお湯が使えます。ただし、タンク容量が給湯能力の上限となるため、一度に大量のお湯を使うと、タンク内の湯温が低下したり、お湯切れを起こしたりするリスクはあります。
3. 省エネ性・ランニングコスト
長期的に見て、家計に大きく影響するのがランニングコストです。
瞬間式給湯器は、必要な時に必要なだけお湯を沸かすため、保温によるエネルギーロスが少ないのが特徴です。特に、高効率な「エコジョーズ」などのガス給湯器は、潜熱回収により排熱を再利用するため、さらに省エネ性能が高く、ガス代を節約できます。電気式の場合も、使用時のみ電力消費が発生します。
貯湯式給湯器は、タンク内の保温に電力を使用するため、待機電力が発生します。しかし、主に夜間の電気料金が安い時間帯にまとめてお湯を沸かし、昼間は保温で賄う「ピークカット」運用ができる「エコキュート」などのヒートポンプ給湯器は、非常に高い省エネ性を誇ります。これは、空気中の熱を利用してお湯を沸かすため、電気エネルギーを効率的に利用できるからです。初期費用は高めですが、長期的に見るとランニングコストを大幅に抑えられる可能性があります。
具体的なランニングコストは、ご家庭のお湯の使用量、契約している電力会社やガス会社の料金プラン、給湯器の機種によって大きく変動します。
4. 初期費用
導入時にかかる初期費用も重要な比較ポイントです。
瞬間式給湯器は、本体価格が比較的安価な傾向にあります。特にガス給湯器の場合、一般的な24号タイプであれば、本体価格と設置工事費を含めて20万円〜40万円程度が目安となることが多いです。電気瞬間式給湯器は、ガス式に比べて選択肢が少なく、比較的高価になる場合があります。
貯湯式給湯器、特にエコキュートは、高効率であるため本体価格が高めです。本体価格と設置工事費を含めると、40万円〜80万円以上かかることも珍しくありません。電気温水器はエコキュートよりは安価ですが、それでも瞬間式ガス給湯器よりは高くなる傾向があります。ただし、自治体によっては省エネ給湯器の導入に補助金が出る場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
5. 設置スペース
給湯器の設置場所やスペースの確保も考慮すべき点です。
瞬間式給湯器は、タンクがないため本体がコンパクトで、設置スペースをあまり必要としません。戸建ての壁掛けや、マンションのパイプシャフト内など、限られたスペースにも設置しやすいのが大きなメリットです。
貯湯式給湯器は、お湯を貯めるタンクがあるため、その分の設置スペースが必要です。タンク容量が大きいほど本体も大きくなるため、屋外の広いスペースや、専用の設置場所が必要になることがあります。特にマンションでは設置が難しいケースもあるため、事前に管理規約や設置可能スペースを確認することが重要です。
6. メンテナンス
給湯器を長く安全に使うためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
瞬間式給湯器は、基本的に特別な日常メンテナンスは不要です。定期的な点検や、メーカーが推奨する年数での交換が主なメンテナンスとなります。ただし、凍結防止対策など、季節ごとの注意は必要です。
貯湯式給湯器の場合、タンク内に貯めたお湯を使うため、定期的なタンクの清掃や水抜き、減圧弁・逃し弁の点検が推奨されます。特に、タンク内に溜まる沈殿物や水アカは、放置すると故障や衛生面の問題につながる可能性があるため、メーカーの指示に従って適切なメンテナンスを行うことが重要です。一般的に、給湯器の寿命は10年〜15年程度とされていますが、適切なメンテナンスを行うことで、より長く安全に使用できる可能性が高まります。
| 比較項目 | 瞬間式給湯器 | 貯湯式給湯器 |
|---|---|---|
| お湯切れ | 基本的になし(連続給湯可能) | タンク容量による(お湯切れの可能性あり) |
| 給湯能力 | 号数による(冬場は水温低下で能力限界あり) | タンク容量による(安定した湯量・温度を供給) |
| 省エネ性 | 使用時のみ稼働で保温ロスが少ない(エコジョーズなど) | 夜間沸き上げで保温ロスあり(エコキュートは高効率) |
| ランニングコスト | ガス料金プラン、使用量による | 電気料金プラン、使用量による(エコキュートは安価) |
| 初期費用 | 比較的安価(20万〜40万円程度) | 高価(40万〜80万円以上) |
| 設置スペース | コンパクト(壁掛け、パイプシャフトなど) | タンク分のスペースが必要(屋外設置が主) |
| メンテナンス | 定期点検、凍結対策 | タンク清掃、水抜き、減圧弁・逃し弁点検が必要 |
※料金は標準的な事例をもとに記載しております。実際の費用は建物の状態や作業内容により変動いたしますので、詳細は専門スタッフまでお問い合わせください。
あなたのライフスタイルに合うのはどっち?選び方のポイント

給湯器を選ぶ際は、ご自身のライフスタイルや家族構成、住居タイプを考慮することが非常に重要です。ここでは、具体的なケース別に最適な給湯器選びのポイントをご紹介します。
一人暮らし・少人数世帯の場合
一人暮らしや夫婦二人といった少人数世帯の場合、お湯の使用量は比較的少ない傾向にあります。この場合、初期費用や設置スペースを重視して選ぶのがおすすめです。
瞬間式給湯器は、必要なときに必要なだけお湯を沸かすため、省エネ性が高く、お湯切れの心配もありません。また、本体がコンパクトなため、設置スペースに限りがある場合にも適しています。毎日のシャワーや皿洗いなど、一度に大量のお湯を使う機会が少ないのであれば、瞬間式が経済的で快適な選択となるでしょう。
貯湯式給湯器の場合、タンク容量が小さいタイプを選べば対応できますが、瞬間式に比べて初期費用が高くなる傾向があります。ただし、深夜電力などを利用した電気温水器であれば、ランニングコストを抑えられる可能性もあります。
共働き・子育て世帯の場合
共働き世帯では、家族それぞれがお湯を使う時間帯が分散しがちです。また、子育て世帯では、お風呂の追い焚きやシャワー、手洗いなど、一度に大量のお湯を必要とすることが多くなります。
このような家庭には、瞬間式給湯器が非常におすすめです。お湯切れの心配がなく、家族が別々の時間帯にシャワーを使っても、いつでも安定した温度のお湯を供給できます。給湯能力の高いモデルを選べば、複数箇所で同時にお湯を使っても水圧が落ちにくいメリットもあります。ただし、大量のお湯を一度に使うと、一時的にガスや電気の消費量が増える点は考慮が必要です。
貯湯式給湯器の場合、タンク容量が不足するとお湯切れのリスクがあります。特に、家族が多い場合は、大きめのタンクを選ぶ必要がありますが、その分設置スペースも大きくなり、初期費用も高くなります。
高齢者世帯の場合
高齢者世帯の場合、快適性はもちろんのこと、操作のしやすさや安全性も重要な選択基準となります。
瞬間式給湯器は、操作がシンプルで、すぐに設定温度のお湯が出るため、使い勝手が良いでしょう。また、お湯切れの心配がないため、安心して入浴できます。
貯湯式給湯器、特に電気温水器やエコキュートは、火を使わないため安全性が高いという利点があります。また、タンク内のお湯を沸かす際に静音性が高いモデルも多く、落ち着いた生活環境を保てます。ただし、タンクの設置スペースと初期費用、お湯切れの可能性については検討が必要です。
戸建て・マンションなど住居タイプ別
住居のタイプによっても、給湯器選びのポイントは異なります。
戸建て住宅の場合、比較的設置スペースの自由度が高いため、瞬間式・貯湯式のどちらも選択肢に入りやすいでしょう。特に貯湯式の場合、エコキュートのような大型のタンクでも設置しやすいメリットがあります。
マンションやアパートなどの集合住宅では、設置スペースに限りがあることが多く、特にベランダやパイプスペースの広さが重要になります。このような場合は、コンパクトな瞬間式給湯器が選ばれることが一般的です。貯湯式を選ぶ場合は、タンクのサイズや設置場所の確保が大きな課題となります。また、集合住宅では管理規約によって設置できる給湯器のタイプやサイズが制限されている場合もあるため、事前に確認が必要です。排気方法や給湯能力についても、マンションの規約に準拠する必要があるため注意しましょう。
給湯器選びでさらに考慮すべきこと

追い焚き機能は必要?
給湯器を選ぶ際、追い焚き機能の有無は重要なポイントです。追い焚き機能は、一度お湯を張った浴槽の温度が下がった際に、再度温め直すことができる便利な機能です。
家族の入浴時間がバラバラな場合や、お風呂にゆっくり浸かる習慣がある家庭では、追い焚き機能があると非常に便利です。お湯を入れ替える手間やコストを削減できます。ただし、追い焚き機能付きの給湯器は、機能がないタイプに比べて本体価格が高くなる傾向にあります。ご自身のライフスタイルや入浴習慣を考慮し、本当に必要かどうかを検討しましょう。
エコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器
給湯器には、一般的なタイプ以外に「高効率給湯器」と呼ばれる省エネ性能に優れた製品があります。代表的なものに「エコキュート」と「エコジョーズ」があります。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす電気給湯器です。割安な深夜電力を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクに蓄えるため、給湯にかかる電気代を大幅に抑えられます。初期費用は高めですが、ランニングコストが非常に安く、長期的に見れば経済的です。ただし、設置には貯湯タンクを置くスペースが必要です。
エコジョーズは、ガスの燃焼時に発生する排熱を再利用し、お湯を温める際に活用するガス給湯器です。従来型に比べて少ないガス量で効率よくお湯を沸かせ、ガス代を節約できます。初期費用は従来型よりやや高くなりますが、高い省エネ効果が期待できます。設置スペースは従来型とほぼ同じで済みます。
これらは国の補助金制度の対象となる場合もあり、初期費用を抑えられる可能性があります。長期的な視点でランニングコストを重視するなら、エコキュートやエコジョーズも選択肢として検討する価値があります。
まとめ:後悔しない給湯器選びのために

ここまで、瞬間式給湯器と貯湯式給湯器のそれぞれの特徴やメリット・デメリット、そして様々な比較ポイントについて解説してきました。給湯器選びは、日々の快適な暮らしや家計に直結する重要な選択です。この記事を通じて、ご自身のライフスタイルや重視する点に照らし合わせ、どちらのタイプが最適か、具体的なイメージを持っていただけたのではないでしょうか。
あなたに合うのはどっち?
瞬間式と貯湯式、どちらの給湯器を選ぶべきか、最終的な判断のポイントを再度確認しましょう。
瞬間式給湯器がおすすめなのは、このような方です。
- お湯切れの心配を一切したくない方:必要な時に必要なだけお湯を沸かすため、家族が多くても連続してシャワーを使えます。
- 設置スペースを最小限に抑えたい方:コンパクトな設計のため、設置場所の制約が少ないです。
- 初期費用を抑えたい方:貯湯式に比べて本体価格が比較的安価な傾向があります。
- 急な来客や、不規則な時間帯にお湯を使うことが多い方:いつでも安定した給湯が可能です。
貯湯式給湯器がおすすめなのは、このような方です。
- 一度に大量のお湯を使いたい方:エコキュートなどの高効率給湯器であれば、夜間の安い電力でお湯を沸かし、日中にまとめて使うことで光熱費を抑えられます。
- 災害時の備えを重視する方:タンクにお湯を貯めているため、断水時でも生活用水として利用できる可能性があります。
- ランニングコストを長期的に抑えたい方:特にエコキュートは、ヒートポンプ技術により高い省エネ性を誇ります。
- 安定した水圧を求める方:瞬間式に比べて、同時に複数箇所でお湯を使っても水圧が変動しにくい傾向があります。
給湯器は一度設置すると長く使う設備です。この記事で得た知識を参考に、ご自身のライフスタイル、家族構成、重視するポイント(初期費用、ランニングコスト、快適性、省エネ性など)を総合的に考慮し、最適な選択をしてください。もし判断に迷う場合は、複数の専門業者に相談し、見積もりやアドバイスをもらうことをおすすめします。後悔のない給湯器選びで、快適な毎日を手に入れましょう。


















